1.2 リレーショナルデータベース

 本項では、データベースの一種であり、現在の主流となっているリレーショナルデータベースの概要や種類について学習します。

1.2.1 リレーショナルデータベース

 リレーショナルデータベースには主に2つの特徴があります。

 ①データは2次元の表形式(テーブル)で管理される。
 ②他のテーブルとの連結(リレーション)が可能である。

 リレーショナルデータベースの特徴として、データはテーブルと呼ばれるMicrosoft Excelのような2次元の表形式で管理されます。以下の図は社員情報を表すテーブルです。
 テーブルの中で1人分のデータのことを行(row)やレコードと呼びます。また、名前や性別、年齢といった項目と項目のデータのことを列(column)やフィールドと呼びます。

図 1.2.1 社員情報テーブルの例

 リレーショナルデータベースのもう1つの特徴として、複数のテーブルを連結(リレーション)して利用することができます。
 管理するデータやフィールドが増えると1つのテーブルでは管理することが困難になり、複数のテーブルを利用してデータを管理します。その際に、1つのテーブルの情報だけでは知りたい情報が得られない場合があります。
 このような場合に、各テーブルに共通する情報を持つ列を用意し、その列を利用して表を一時的に連結します。

図 1.2.2テーブルの連結

 なお、リレーショナルデータベースでは、複数のテーブルを関連付けて利用するのが一般的ですが、本書では単一のテーブルを利用した操作のみ学習していきます。テーブルの連結については、「MariaDBデータベースとSQL基礎」テキストで学習します。ここではこのような機能があることだけ覚えておきましょう。

1.2.2 リレーショナルデータベースの種類

 リレーショナルデータベースには様々な種類があります。また、それらリレーショナルデータベースを管理するソフトウェアであるRDBMS(Relational DataBase Management System)も多く存在します。
 例えば、オープンソースとして提供されているRDBMSでは「MariaDB」や「PostgreSQL」、「SQLite」、商用提供されているRDBMSでは、Oracle社の「Oracle」や「MySQL」、IBM社の「DB2」、Microsoft社の「SQL Server」などがあります。その他にも個人での使用に主眼を置いた「Access」などもあります。

 日本ではOracle社の「Oracle」が圧倒的なシェアを持ちますが、その他にも「DB2」「SQL Server」「Access」なども広く使われています。また近年では「MariaDB」や「PostgreSQL」、「SQLite」などの、オープンソースのRDBMSを使用するケースが急速に増えています。

 なお、本書では「MariaDB」を利用し学習していきます。